kimunori10’s diary

マラソン、スポーツ、トレーニングを中心とした雑記ブログ

オフシーズンに何をすべきなのか

「オフシーズン」という言葉を聞いた事はありますか?
スポーツ選手が数多くの試合や練習をした後に、メディア等で情報が流れるときに耳にしたことがあるかもしれません。
 
この時期(10月~12月頃)、多くの冬季スポーツがシーズンインする一方で、多くの夏季スポーツはオフシーズンを迎えます。
オフシーズンに入る夏季競技の中でも、特にプロ野球は、オフシーズン中の動向がメディアで報道されることが多く、オフシーズンに選手がどのようなトレーニングをやっているのかを、SNSや報道等で垣間見ることができます。
 
メディアに登場するのは、アスリートがやっているトレーニングのほんの一部にすぎないはずですが、それでも「すごいことをしているな」と驚愕することが多いのもまた事実です。
時期的にもちょうどよいので、今回は前半にオフシーズンの取り組み方を最初にお話しします。
また後半は、オフシーズンの食事面、栄養面についてもお話していきます。
これからオフシーズンに入るアスリートや部活動生の参考にもなれば幸いです
この期間は、2月や春先から始まる強化練習への大切な準備期間となります。
この期間にやっておきたいこととして、どのようなことが挙げられるのかを順番に見ていきましょう。
 
1.怪我や故障を治す
怪我をして試合に出られず、試合には出場したものの慢性的な痛みがあって、全力プレイができなかったという選手は、怪我の治療やリハビリ、あるいは慢性的な痛みの原因となる部分の筋力や柔軟性の改善に取り組みます。痛みや不安を取り除いてから練習に参加できるようにしなければなりません。
 

2.身体づくりをする
2月からは練習強度が上がったり、練習量が増えたりすることが多くなるので、その練習で怪我をしないような身体を作っておく必要があります
「身体をつくる=筋肉を増やす」というイメージだと思いますが、それ以外にも「筋力を強くする」、「関節や筋肉に負荷がかかり過ぎない、且つ効率よく筋力やパワーを発揮できる正しい身体の動かし方を身につける」といったことも重要課題として含まれます。
つまりこの時期は、とにかく正しい動作でひたすら重りを持ち上げるのが大事、ということでもあります。
 
3.競技スキルを磨く
実はものすごく重要なことです。全体練習では基礎的な技術練習もありますが、チームで練習メニューが決まっていて、自分の得意な技術を伸ばしたり、苦手な技術を修正したりするには十分な時間があるとは言えません
加えてそこでは、4月以降の春の試合シーズンのレギュラー選考も行われますので、良いプレーをして監督・コーチを始めとする首脳陣にしっかりアピールしなければなりません
そのためには、この時期に個人練習をしてプレーのレベルを上げておく必要があります
シーズンオフに、プロ野球のピッチャーが新しい変化球を身につけたり、バスケットボール選手がひたすらシュート練習をするのが良い例です。
もし怪我や故障がなく健康体であれば、3.のようにすることが最優先事項であると言えます。その理由を今から述べていこうと思います。
 
「トレーニングさえやっていれば、競技成績も向上する」
「俺にトレーニング指導をまかせてくれれば、あなたをトップアスリートに育ててみせるぜ」というようなことは、恐れ多くて口が裂けても言えません。
ただ正直に言うと、トレーニングのことをあまり知らなかった頃のときは、少しそう思っていました。
 
しかし、知識が増えて、考え方もバランスの取れたものに変わっていくもので、レーニングをやって体力向上さえすれば競技成績も上がる、とは考えなくなりました
「身体能力が非常に高くて凄い」と思うようなアスリートが、トレーニング中は「この選手大丈夫かな?」と心配になるほど身体能力の低いアスリートに、競技成績では全然勝てないというようなことはたくさんあります。
 
そのような経験をしてきて思うのは、「スポーツで勝つのは、その競技がうまいアスリートだ」ということです。
どれだけトレーニングを頑張って体力を向上させても、競技が下手だったら勝てません
 
「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、オフシーズンのトレーニングに関して言うと、そんな当たり前のことが忘れられているのではないかと疑うケースが多いと感じています。
例えば、プロ野球選手のオフシーズンの報道で見かける例で言うと、「球速を上げるために、オフシーズンの間に体重を増やします」とか、「バッティングの飛距離を伸ばすために、オフシーズンは肉体改造に励みます」という発言があります。
 
メディアの報道は、一部を切り取っていることが多いので、これらの発言がアスリートの真意ではない可能性もあります。
しかし、もしアスリートが本当にこのような発言の考え方をしているとしたら、実際に球速を上げたり、バッティングの飛距離を伸ばしたりすることに成功する可能性は低いと思います。
 
なぜかというと、それはレーニングだけしても競技は上手くならないからです。
競技が上手くなるためには、競技の練習をする必要があります
球速上げたいならピッチングの練習が必要ですし、飛距離を伸ばしたいならバッティング練習が必要です
これまた「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、残念ながら、体重を増やしたり肉体改造をしたりすれば、自動的に球速がアップしたり、バッティングの飛距離が伸びたりすると勘違いしているアスリートが少なからず存在しているのではないかと思われるのです。
 
とりあえずオフシーズンに、練習をあまりやらずにトレーニングをガシガシして、体重を増やしたり肉体改造をしたりすることに成功したとしても、いざ競技の練習をやろうとなった時に、思ったほど球速がアップしなかったり、バッティングの飛距離が伸びなかったりするという状況に直面することは、容易に想像できます。
何度も言うように、レーニングをして体力向上しても、競技が上手くなるわけではないからです。
 
むしろ、体重増加も含めて体力が向上する、つまり体力が変化すると、これまでと同じ感覚で身体を動かそうとしても、同じように動かすことができないはずなのです
一時的にパフォーマンスの低下が見られる可能性も頭に入れておくべきです。
 
しかしながら、正しい方法で体力を向上させることができているのであれば、その向上した体力を使いこなせるようになりさえすれば、パフォーマンスUPに結びつく可能性はあります
そして、新たな体力を使いこなせるようになるために必要なのは、競技練習なのです。
したがって、オフシーズンであっても、競技の練習がメインであるべきで、レーニングはあくまでも補強にすぎないと考えておいたほうが良いでしょう
競技が上手くなるためには、オフシーズンであっても競技の練習をしないといけないのです。
※ピッチャーの場合、シーズン終了後は肩や肘を休めるために、ピッチングをしない時期を設ける必要があるかもしれないので例外です。
 
レーニングの役割は、メインであるべき競技練習を支えることです。
別な言い方をすると、競技練習の効果を上げるために、トレーニングをするといった感じでしょうか。
レーニングをして怪我のしにくい身体を作ることができれば、質の高い練習をたくさん積むことができるので、競技が上手くなることに間接的に貢献できます
 
また、体力が足りずに、どれだけ競技練習をやっても実施できない動きがある場合は、練習とは別にトレーニングを実施して体力を向上させておくことで、あとは競技練習をしっかりやれば、技術を向上させることができるという下準備を整えることもできます。
オフシーズンにたくさんトレーニングしておけば、競技が上手くなるという考えや発想は辞めましょう
レーニングだけしても競技は上手くなりません。それがトレーニングの限界です。
 
しかし、レーニングをすることで、競技練習の質や量、そしてその効果を向上させたり促進したりすることは可能です
その結果として、間接的に競技力向上に貢献できるのは間違いありません。
あくまでも競技練習がメインで、トレーニングは補強にすぎない(だけど重要)」という形で、トレーニングの意義と限界を適切に捉えたうえで、オフシーズンの練習やトレーニングを頑張りましょう。
 
ここからは、オフシーズンで身体を作り上げる上で不可欠な、栄養面での身体づくりについてお話していきます。
「作り上げた身体をオフシーズンを通しても維持していきたい」
「オフが明け、シーズン入りした時に「身体のなまり」を感じたくない」
日頃、身体作りに懸命に取り組んでいる選手の皆さんは、きっとこう思っているのではないでしょうか?
しかし、オフシーズンはいつもよりも外食が増えたり、生活リズムが乱れたりしがちです。
そのようなオフシーズンでも、ご紹介するポイントを意識することで、身体やコンディションを維持することができます。
 
オフシーズンを過ごす3つのポイントについてご紹介していきます。
1.内臓疲労に注意し、食事量は前後で調整する
外食や中食が増えると、高カロリー・高脂質な食生活に偏りがちです。
スイーツやアルコールなどからの、質の良くない糖質摂取が増える方も多いでしょう。
さらに、食事時間が不規則になりやすく、上記のような食事を夜遅くにしてしまうことも考えられ、消化にかかる身体の負担が大きくなってしまい、内臓は頑張って消化しようと働きつづけるため、疲労が蓄積状態になります
「身体が重い」「怠い」という主観は、体重増加や体組成の変化だけが原因ではないのです。
指標として分かりやすいのは、朝起きた時の「スッキリ感」です。
朝起きた時にだるさを感じたら、前日の食事を振り返り、その日の食事は気をつけたほうがいいかもしれません
※食事のポイント
外食が続く時は、必ず前後の食事で「」「内容」を調整するようにしましょうとはいえ、「欠食」をしてしまうのはいけません
自分の内臓の疲れ具合と相談しながら、食事の調整をしましょう。
 
2.ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の不足に注意する
1.で例として挙げたような食事になっているときに気をつけたいのが「ビタミン」と「ミネラル」です。
糖質過多・脂質過多の食事を続けていると、代謝の過程でビタミン類の浪費が多くなります。また、外食での偏った食事ばかりになると、アスリートにとって必須のビタミン・ミネラルの必要量を満たしにくいです
※食事のポイント
自宅などできちんと整った食事が摂れるタイミングでは、主食・主菜・副菜・乳製品・果物がそろったバランスのいい食事を目指しましょう
内臓疲労の観点から考えると、消化にいいメニューを取り入れることもいいでしょう。
 
3.朝起きる時間は固定する
オフになると生活リズムが崩れがちになります。就寝時間が遅くなり、次の日起きる時間も遅めになります。
そのような日が増える選手も、中にはいるのではないでしょうか?就寝・起床時間が乱れると、体内時計は狂います。
人間はその行動(例えば食事や睡眠など)をとることに適した時間に、適切な遺伝子が働き、必要なホルモンも分泌されます
体内時計の乱れは消化・吸収にも悪影響です
※生活のポイント
夜が遅くなったとしても、朝起きる時間はいつも通りの時間に固定し、昼寝で調整するようにしましょう
 
今回は、オフシーズンについての取り組み方や考え方、これからのシーズンをどのように過ごせばいいのかを、トレーニングと栄養に関することを中心にご紹介致しました。
だた身体を休めるだけでなく、心もしっかりと休めつつ、シーズンが始まるにつれて調子が上がるように、これから数か月間過ごす必要があります
来るシーズンに向けて上記のことを踏まえつつ、数多くの選手が来シーズンに、ベストパフォーマンスが発揮されることを願います。
 
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。