kimunori10’s diary

マラソン、スポーツ、トレーニングを中心とした雑記ブログ

五月病について

五月病」という言葉を社会人の皆さんなら、一度は耳にしたことがある人がいるかもしれません。
かくいう私も大学1年生、社会人1年目の頃は、特にその中の1人でした。
 
五月病」というのは、主にストレスが原因で起こります進学や就職、転居などで新しい環境に変わる人が多い新年度は、特にストレスが溜まりやすい時期です
新社会人の皆さんや職場が変わる転職者や転勤者などの方々、それにこれまでとは生活環境が一変する人が多くなる時期が4月頃です
 
環境の変化に加えてゴールデンウィークの連休があり、なかなか生活リズムが整わない社会人の方々も多いのではないでしょうか?
次第に新しい環境に慣れていき、初めの頃の緊張状態が緩んでくると、「集中力が続かない」「倦怠感がある」「やる気が出ない」といった症状や、いわゆる「五月病」の問題が出てきはじめます
 
五月病」の具体的な症状や、「五月病」になりやすい人の傾向など、メンタルヘルスにおける健全化の観点といった所でも、皆さん理解を深める必要があるでしょう。
ちなみに、五月病」は病院などで使われる正式な病名ではありません。医学的には、適応障害うつ病、パーソナリティー障害、発達障害パニック障害不眠症といった病気などがあります
五月病」の原因で一番多い病気は「適応障害」ですが、実は「発達障害」の人もいると考えられています発達障害には、自閉症、注意欠如・多動性障害(ADHD)、アスペルガー症候群など、様々なタイプがあります。
 
五月病」は、誰でもかかる可能性があります。中でも、受験や就職などの大きな目標を達成したことで、燃え尽き症候群(バーンアウト)のような状態に陥っている人や、環境が大きく変わったことで周りに上手く馴染めないという人は、ストレスを溜め込みやすいので注意が必要です
 
また、「五月病」の原因とされる「適応障害」や「うつ病」といった病気になりやすいタイプの人もいます。このような人は、性格的に几帳面でまじめ、責任感があるといった特徴があり、一人で抱え込んで全てをきちんとしようとします。気負いすぎずに、周りの人に協力を求めるようにしましょう。
計算や暗記が得意で学生時代には成績優秀だったが、社会に出ると上手くいかないという人は、「アスペルガー症候群」の可能性があります
 
以下に、「五月病」と関係のある病気と、その症状をまとめましたので参考にしてみてください。
適応障害→気分が優れない、体調不良、うつ症状など
うつ病→憂うつ、やる気が起きない、疲れても眠れない、思考力が落ちる
・パーソナリティー障害→認知、感情、衝動コントロール、対人関係といった広い領域に障害がある
発達障害(アスペルガー症候群など)→相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏りなど
パニック障害→動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を突然起こす
不眠症→寝つきが悪い、途中で起きてしまい眠れない、朝早く起きてしまう、熟睡できないなど
 
・「五月病」を経験している人の割合について
4月から新入社員研修を受け、実際に5月から部門配属といった企業が多く、ちょうど1ヵ月後の6月にこれらの症状が出るパターンもあることから、六月病」といわれることもあります。では、どのくらいの人が五月病にかかるのでしょうか?
チューリッヒ生命が2018年4月に、現在の社会人の方々が抱えるストレスについての調査を全国の20歳~59歳の合計1,000人に実施しています。その中で、「五月病」に関するアンケートも独自に行われました。
「これまでに五月病になったことがあるか?」との質問に、男性は21.6%、女性では25.0%が「ある」と回答しています。全体で23.3%が「ある」と回答し、約4人に1人が「五月病」を経験しているとの結果が明らかになりました。
年代別で見ると、男性で「五月病になったことがある」と最も多く回答した年代は、28.0%の「30代」、次いで23.2%の「20代」、21.6%の「50代」。
一方、女性では39.2%と「20代」が最も多く、24%の「30代」、20.0%の「40代」と、こちらは年代が高くなるにつれ、割合が下がる傾向にあることがわかりました。
特に驚くべき結果は、20代の女性の約4割が「五月病」を経験しているということです
五月病になったと思われる原因」について尋ねたところ、男性は36.1%、女性は38.4%と、男女ともに1位が「入社」という回答でした
20代の女性は、入社により慣れない仕事に直面することで、大変だと感じている人が多いという状況が伺えます
 
先程も述べましたが、「五月病六月病)」は正式な医学用語ではありません。医療機関で受診すれば、「軽度のうつ」や「適応障害」といった病名をつけられることもあるのです
五月病」の症状としては、精神的、肉体的、行動面において以下の特徴が挙げられます。
・精神的症状
・悲しみ、憂うつ感
・不安感やイライラ感、緊張感
・無力感、倦怠感、気だるさ、やる気が出ない
・肉体的症状
・食欲不振、体重減少、嘔吐、胃痛、吐き気
・寝つきが悪い、朝早く目が覚める、不眠
・動悸、めまい、血圧上昇、手や足の裏に汗をかく
・頭痛やひどい肩こり
・行動
・消極的になる、周囲との交流をさける、引きこもり
・飲酒、喫煙量が増える
・身だしなみがだらしなくなる、落ち着きがない
 
それでは、どのような人が「五月病」になりやすいといえるのでしょうか?
五月病の症状は「軽度のうつ」とも言われますが、うつは脳内の神経伝達物質が一時的に伝わりにくくなる状態が原因とされています
一般的に、下記のような性格の方は、脳内の神経伝達物質の伝達が活発なため、脳内伝達物質が上手く伝達されない可能性が高く、うつになりやすいといわれています。
・義務感が強い
・仕事熱心
・完璧主義
・几帳面
・凝り性
・他人への配慮を重視し、良好な関係を保とうとする
上記の性格を総合的に見ると、要は真面目で責任感が強く他人への配慮を重視する人」ほど、五月病六月病)」になりやすいといえるのです
 
五月病」の対策としては、ストレスの原因と距離を置くこと、またありのまま受け入れることです
五月病」の原因は1つではありませんが、確かなことは環境の変化などによる「ストレス」が原因ということです。
前述の調査では、「独自のストレス発散方法」についても回答を得ています。
全体の1位は、「美味しい物を食べる」が48.4%、次いで2位は、「身体を動かす」が34.3%、3位は「睡眠・休息をとる」が33.4%との調査結果が出ました。
一般的にも、「バランスのとれた食事」、「適度な運動」、「質の良い睡眠」の3つはストレス解消には欠かせません
これら3つの方法は、健全な肉体を保つ上でも重要であり、疲労回復にも効果があるといわれています。また、精神面においては、「五月病」に対する独自の対処方法を確立させておくことが重要です
 
また、先程の調査の中で、「あなたが五月病になった時、どのように対処されているか?」との質問では、以下の内容が自由回答で挙げられています。
これらの結果は、ストレスを忘れるために距離を置く」ことと、「ストレスをありのまま受け入れる」ことの2つに大別できます
・ストレスを忘れるために距離を置く。
・4~5月は勤務後、週1で好きな物を食べに行く時間を作る。
・カラオケ屋で熱唱してストレスを発散する。
・休日はよく休むか、旅行でリフレッシュする。
・自分の時間を作って、ヨガをする。ネットで買い物をして気分を変える。
・ひたすら好きなことをして元気を出す。趣味に走る、買い物、食に走る、など。嫌な仕事が控えていたら、これを耐えたらこれを買える、などのいわゆるご褒美を自分で設けることも。
・ストレスをありのまま受け入れる。
・とりあえず何も考えず、職場に行く。行くだけでいいと思い、とりあえず行く。
・とにかく考えないように、無心になろうと頑張る。
 
まず「五月病」を疑った場合は、かかりつけの医師の診察を受けましょう肉体的な病気が除外されても不調の原因が分からなかった場合は、「五月病」のような精神的な病気の可能性があります
「特に悪い所がないので安静にしてください」と言う医師もいますが、症状が2週間以上続くようであれば、精神科や心療内科での診察を検討してみてください。精神科と心療内科には明確な区別はないので、どちらの科を受診しても大丈夫です。
 
それに、自分自身で講じられる対策としては、五月病」の原因となる「ストレス」に向き合うことです。これが、全ての対策の根幹をなすといえるでしょう。ストレスと向き合い、自分はストレスにさらされているのだと自覚すること、その上で、距離を置いても良いですし、何もせずありのまま受け入れるという選択をすることもできます。
 
管理者や職場の上司にあたる立場の方々からしてみても、従業員の健康を維持するために、パフォーマンスの低下が及ぼす事業の成長の停滞を回避するためにも、企業はストレス耐性について対策を継続的に講じる必要があるといえるでしょう。
また、2020年の3月ごろから徐々に新型コロナウイルスの影響により、「五月病」に陥る方々が増えているとのことです。新型コロナウイルスが完全に終息しない限りは、しばらく五月病にかかるリスクが大きいということも、年代を問わず理解しておくことが何より大切なことなのではないでしょうか。
 
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。