kimunori10’s diary

マラソン、スポーツ、トレーニングを中心とした雑記ブログ

肉離れについて

肉離れという言葉は俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。
スポーツを行うなかで、急に無理な動作をした場合に発生する筋膜や筋繊維の損傷、断裂を表します
筋肉が裂けたり破れたりすることを筋断裂といいますが、筋断裂のうち範囲が部分的なものを一般的に「肉離れ」と呼びます
 
発症すると患部に激痛が走り、それ以上運動を続けられなくなります。時には筋肉が断裂した瞬間に「プチッ」という音が聞こえることもあるでしょう。
また、痛みのある部位をよく観察すると、くぼみや変色が生じている場合もあります
 
実際に私は一度だけですが、中学生の時に体育の授業で経験をしたことがあります。
確か50m走のときにダッシュをいきなり始めたとき起きました。バチンという音が突如して、周りに聞こえるくらいの大きい音でした。
起きた場所は、左脚の大腿四頭筋(太腿の前側)でした。原因は、急激なダッシュによるもので、柔軟性の欠如等、様々な原因が考えられます。
すぐに腫れて変色したので、患部を冷やしました。この時に迅速な応急処置の重要性をまず学びました。
 
肉離れは、筋肉の強い収縮とともに、逆に強く引き伸ばされるような方向の力が加わったときに起こりやすいと考えられています
具体的には、急なダッシュやストップ、ジャンプからの着地などのタイミングで多発します筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップの不足などは、肉離れを引き起こす要因となります
日頃からストレッチをするなどして予防を心掛けることが大切です。
 
では、肉離れはどのような症状がでるのでしょうか?
・伸長時痛(ストレッチをした時)
・収縮時痛(力を入れた時)
・圧痛(患部を押した時)
・損傷部の陥凹(中等度~重度の損傷)
・内出血
肉離れが起こりやすい部位は、競技によって異なりますが、ハムストリングス(太もも裏にある筋肉の総称)や大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)、内転筋(内ももの筋肉)、腓腹筋(ふくらはぎにある筋肉)など、下半身の筋肉に起こることが多いでしょう。
 
・肉離れの診断はどのようにして下されるのでしょうか?
肉離れの診断や詳細な重症度判定には、MRIや超音波検査などの画像検査を行います
スポーツでよく起きる筋損傷である筋痙攣や筋打撲傷との鑑別が必要です
ちなみに、筋痙攣は一次的な筋肉の痙攣による痛みで、筋打撲傷は衝突などによって起こり、明らかな外力によるものです
 
・重症度の分類について
MRI画像に基づいて損傷部位を明らかにし、重症度分類を行います
Ⅰ型(軽傷):腱・筋膜に損傷がなく、筋肉内に出血を認める(出血型)
Ⅱ型(中等症):筋腱移行部の損傷を認めるが、完全断裂・付着部の裂離を認めない(筋腱移行部損傷型)
Ⅲ型(重症):筋腱の短縮を伴う腱の完全断裂または付着部裂離(筋腱付着部損傷型)
特に重症度は、治療やリハビリテーションの進行、競技復帰までの期間に大きく関わるものです
そのため、MRIやエコーなどの画像診断などを用いて、正確に判定していく必要があります
 
・肉離れと間違えやすい疾患と見分け方のポイント
肉離れとよく似た疾患に次のようなものがあります。症状の特徴と見分け方のポイントをご紹介します。
・こむら返り
ふくらはぎ(こむら)を中心に起こる筋肉痙攣の総称です。一般に「足がつる」といわれる現象で、激しい痛みを伴います。
原因は様々ありますが、脱水症状によるミネラル不足や、筋肉疲労によることが多いとされています。
こむら返りの場合、筋肉が過剰に収縮して、筋肉全体に激痛が起こり、力を抜くことができません
一方、肉離れは筋繊維が断裂して起こるため、痛む部位が限定され、力が入らなくなります
 
・筋膜炎
筋肉を使いすぎることで筋肉の膜が硬くなり、炎症を起こしている状態です。
背中や腰、足の裏などに痛みが走ります。特に足底筋膜炎(そくていきんまくえん)は、ランナーによく見られます。
肉離れと似たような症状を示しますが、画像検査(MRI)により、鑑別診断が可能です
肉離れは、こむら返りや筋膜炎と症状がよく似ているため、見分けるのが難しいケースもあります。
まずはその仕組みを知り、適切に対応しましょう。迷ったときは、まずは整形外科を受診してみましょう。
 
運動中に起こりやすい肉離れは、突然起こると思われがちですが、実は前兆があるのをご存知でしょうか?
身体のサインを見逃さず、早めに対処するだけでも肉離れの予防に役立ちます。
ここでは、肉離れの前兆や予防のためのストレッチ法についてご紹介します。再発を繰り返すことも多いため、未然に防ぐことが大切です。
 
・肉離れの前兆とは
ダッシュやジャンプなどの急な動作を行ったときに起こりやすく、受傷した瞬間に激しい痛みを感じて、それ以上動けなくなります
太腿やふくらはぎの筋肉は、肉離れが起こりやすい箇所です。肉離れが起こる前兆として、筋肉が硬くなり強張った感じがしたり、太腿に違和感を覚えたりするケースが多くみられます
筋肉が硬直し、柔軟性を失った状態で運動を始めると、急な動きに耐えきれず、肉離れになりやすくなります
運動前にいつもより身体を動かしにくいと感じたら、普段よりもしっかりとウォーミングアップを行い、筋肉を温めて凝りをほぐしておきましょう。
 
・肉離れ予防に役立つストレッチ方法
ウォーミングアップ不足は、肉離れが起こる原因の1つです。逆に言えば、入念な準備が予防につながります。
簡単なストレッチで柔軟な筋肉をつくりましょう。
・太腿前面(大腿四頭筋)のストレッチ
1.背筋を伸ばして立つ
2.片膝を曲げて踵をお尻につける
3.太腿前面の伸びを感じるところでキープする
 
・太腿裏面(ハムストリングス)のストレッチ
1.片足を椅子の上に伸ばす
2.足首を反らして、上半身を前屈する
3.太腿裏面の伸びを意識し、姿勢を保つ(背中を丸めないように注意する)
 
・ふくらはぎからアキレス腱のストレッチ
1.厚みがある本の上に爪先をのせて、体重をかける
2.ふくらはぎとアキレス腱の伸びを感じる
 
・肉離れの治療について
肉離れの治療法は、保存療法が選択されることが多いですが、腱付着部での断裂や裂離損傷では、手術療法が選択されることもあります
 
・保存療法
受傷直後から48時間は重症度によらず、RICE療法を行いリハビリテーションに繋げます。
 
・手術療法
MRI上で筋・腱の連続性が完全に断たれ、広範な血腫とともに、断端の短縮が確認できるような場合に、手術的治療を検討する必要があります。
先ほど紹介した、重症度分類で、Ⅲ型に分類される方が主な適応です。
 
・肉離れを起こした際の簡単な対処法
肉離れを起こしたら、すぐに運動を中止し、患部を冷やして軽く圧迫しましょう
痛めた部位をストレッチして無理に伸ばそうとすると、よりダメージを与えてしまう可能性があります。
受傷直後はできるだけ安静に保つことが重要です筋肉が完全に断裂している場合は手術が必要になるので、必ず整形外科を受診してください
 
・応急処置の4つのステップ
RICE処置」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急処置方法のことです。
・Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました
早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、回復を助ける効果があります
 
1. Rest(安静)
怪我をしたら、まずは安静に保つことが大切です。安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。
むやみに動かすと悪化してしまう可能性があるので、患部にタオルや添え木などを当てて固定します。
2. Icing(冷却)
患部を氷や氷水などで冷やします体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます
ただし、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、氷を氷嚢やビニール袋に入れて患部に当て、20~30分ほど冷やします
ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態になったら、一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します。
その後再び氷を当てましょう。これを何度か繰り返します。
3. Compression(圧迫)
患部にテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると、血流障害や神経障害を起こします。
痺れや変色が生じたらすぐに緩めましょう
4. Elevation(挙上)
患部を心臓より高い位置に保ちます血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます
患部の下に座布団やクッション、畳んだ毛布などを敷くと良いでしょう。
 
・肉離れのRICE処置について
スポーツ中に起こりやすい肉離れについては、行うべき処置の手順をチェックしておくと安心です。
まず安静にして、肉離れした部位を冷やします。内出血や腫れ、痛みがひどくならないよう30分以上キープしましょう。
冷却後は、収縮性のある包帯やテープで患部を固定して、安静を保ちます。足の場合、横になるときは座布団などで足を少し高くしてください。
 
・肉離れ後のリハビリテーションについて
今回は肉離れに多いハムストリングの損傷を例に、リハビリテーションの流れを紹介します。
・メディカルリハビリテーション
上記で紹介した、RICE処置を行いながら患部の保護を行いますアイシングと圧迫は出来る限り繰り返し実施して、靴を脱ぐ、床の物を拾うなど日常生活で痛みを誘発しやすい動作にも注意が必要です
ジョギング開始までは、伸張時痛や収縮時痛、トレーニング後の疼痛増悪がない事を確認しながら、ストレッチと筋力トレーニングを行っていきます。
 
ハムストリングの伸張時痛が消失したら、速歩やジョギングを開始します
さらに抵抗痛が消失したら、加速走を開始します。加速走の実施後や翌日に、疼痛の増加や筋出力の低下などの所見を確認し、強度や走行距離を徐々に増やしていきます。
競技復帰の基準は、以下の項目が挙げられます。
1.圧痛がない
2.筋力や柔軟性のテストで疼痛がない
3.スポーツ動作中の疼痛がない
4.左右で柔軟性に差がない
5.心理的な不安がない
受傷後からの期間で復帰時期を考えるのではなく、パフォーマンスが基準に達しているかどうかで復帰時期を検討するべきなのかと考えます
ただ闇雲に競技復帰するのではなく、身体機能がベストな状態で復帰することが、再発予防にも必要であると考えられています。
 
・再発予防に向けてのトレーニングについて
肉離れ受傷後は、パフォーマンスの低下が避けられず、復帰した後の再発頻度も少なくありません
柔軟性の低下・筋力の不均衡・疲労の蓄積などが肉離れの危険因子として挙げられます
個々の身体機能や特徴に応じて、ストレッチや筋力トレーニング、適切なウォーミングアップなどを計画し、日々のトレーニングから積み重ねて行う必要があります。
 
肉離れは再発しやすい代表的な怪我のうちの1つです。ですので、競技時期の復帰を慎重に見極めて、リハビリやストレッチ等を入念に行い、再発をしないように医療機関としっかり連携を図り、適切に対処していきましょう
 
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。