マラニックの魅力について
皆さんは、「マラニック」という言葉をご存じでしょうか?初めて聞いたという方が多いかもしれません。
走る感覚は、ピクニック気分で楽しく、長い道のりをゆっくり走ったり、歩いたりする旅のような感覚であり、心はまさに遠足気分になります。
マラニックをするには春や秋という季節はぴったりの季節です。
特に秋は、天候の良い日が多く、空気が澄んでいて、紅葉を見ながら楽しく走れる季節でもあります。
それに、食欲の秋、スポーツの秋、といわれるように同時に満たすことのできる季節でもあります。
今回は、マラニックの魅力についてお話ししたいと思います。
マラニックは、順位やタイムにこだわらずに、景色やエイド(エイドステーションの略。コース上に設けられた、飲み物や食べ物を補給することができる場所)を楽しみながら走ることを目的としたマラソンのことです。また、マラニックは順位やタイムにこだわらずに走る大会です。
景色やエイドを楽しんだり、ボランティアの方や沿道で応援してくださる方と触れ合いながら走ったり、ランナー同士でも走りながら会話をしたりします。
辛いときは歩いてもいいですし、ゆっくりトイレに行ってもいいのです。
何もストレスを感じずに、純粋に走ることが楽しい、と感じさせるのがマラニックの最大の魅力です。
自己記録を狙って走るレースもいいのですが、そのような大会ばかりだと心が苦しくなります。
それに、毎回同じような景色や場所で走っていると飽きてきませんか?
特に、室内で走ることが多くなると景色が一向に変わらないですし、空気が重く感じると思います。
コロナ禍で室内で運動するのに抵抗を感じる人も、外の新鮮な空気を吸いながら、楽しく走ったり汗をかいたりすることで、ストレスの解消にも繋がるでしょう。
そして、その後に対象別、目的別に分けて、さらに走力のレベル、季節、コース、体調などによって方法を変えていけば、もっと魅力あるものになっていきます。そのいろいろな方法と成果を様々な観点から挙げていきます。
・交通ルールを守って走る
マラニックはゆっくり自分のペースで走ります。
大会では通常のマラソン大会とは異なり、交通規制されていないことがほとんどのことが多いです。
自動車や歩行者等などに気をつけながら、交通ルールを守って走ることが大切です。
信号無視や交通ルールの無視などはもってのほかです。
・道に迷う可能性もある
ウルトラマラソンでもいえることですが、ゆっくり走るため、前後に走っているランナーの姿が見えなくなる可能性もあります。
また、時間制限がないということは途中で単独になってしまう可能性すらあるのです。
そして、目印などを見落とすと道に迷う可能性もあるのです。
受付の際に配られる地図を持参し、携帯するようにしましょう。
・天候・体調管理に気をつける
ゆっくりと長い距離を走るため、天候が変わったり汗冷えを起こしたりすることもあります。
逆に6月や9月は、熱中症をおこす可能性もあります。
全て自己責任です。自分の体調の変化に気を配りながら注意して走りましょう。
・コンディションを整える
長時間にわたって、全身で動き続けるだけに、体調を整えておかなくてはなりません。
継続には、エネルギー源としての脚筋のグリコーゲンの蓄えと、痛みやだるさといった疲労が少ないことが条件です。
対策としては、実施前2日間は走るトレーニングを、せいぜい30分程度にして疲れをとりながら、炭水化物中心の食事をしてグリコーゲンを蓄えましょう。
・コースの設定に気をつける
あらかじめコースを作り、どの程度の時間と距離なのか知っておく必要があります。
ランニングとは、予想して、それを実現することに楽しさがあるのです。
・ワンウェイコース…行きか帰りを、電車やバスとする。
・往復コース…行きも帰りも、同じコース。
・循環コース…ワンウェイだが、ぐるりと回ってスタート地点に戻ってくる。
・人数…複数の仲間たちと一緒に。自分のペースで走るため、走力、体調で4~5名のグループに分かれて走り行動する。
ここからは、ランニング歴に応じた楽しみ方と走り方をお伝えしたいと思います。
・走歴別マラニック
1.ビギナー向きマラニック
走る楽しさは、ゆっくり走り続けることです。しかし、最初から長い時間と距離を走ることはできません。
そこで、ナップサックやウエストバッグ、ポーチを身につけて、歩き中心で1~3時間くらいから始めてみましょう。
山登りやハイキングも立派なマラニックです。時間をかけて動き続けること健康つくりをめざしている方にも最適です。
2.走歴2、3年のランナー向きマラニック
次第にスタミナもつき、ハーフマラソンやフルマラソンを走りたいと思っている人ならばLSD(=Long Slow Distanceの略称。長い距離をゆっくり時間をかけて走るトレーニング方法のこと)、2時間走をする前にまず、マラニックを2~4時間程度かけて、週1回やってみましょう。もしマラニックの後に痛みや強い疲労感があったとしても、翌日には回復することが目標で、その結果痛みも疲労感もなく、十分にやり遂げられるようになります。
3.ベテランランナー
特に記録や大会にこだわるランナーには、もう一度ゆっくり走る楽しさを取り戻すためにマラニックをお勧めします。
あるいは、疲れた心身のためには旅する心でマラニックをしてみてはいかがでしょうか?
時間は2時間から数時間とし、走りを主体にして、30分に5分程度の歩きを入れます。
・季節別マラニック
四季のはっきりした日本は、それぞれの季節を楽しんで走ることができます。
1.春のマラニック
冬のレースに疲れていたり、これから走り始めようとするには、春のマラニックが最高です。
枯れた草木に芽が出る、花が咲く風景は新鮮さを感じることができ、心も身体も元気になっていきます。
近くの里山や川沿いの道、砂浜とあちこちへ出かけて、走りにふさわしいコースを探しましょう。
2.夏のマラニック
起伏の激しさと天候の激変に備えた服装や飲食を用意し、上り下りは歩き、平地はゆっくり走るスタイルで2時間程度、上りの疲れをとるために、時々平地を挟めれば最高です。
また、虫刺されやクマよけの鈴、水分や糖分等の装備や準備を怠らないようにしましょう。
海のマラニックは、走りと歩きに水泳を加えることで、スケールが大きく楽しいものになっていきます。
3.秋のマラニック
最もランニングに適した季節だけに、スムーズにマラニックをすることができます。
遠くの自然を探していくのも良いのですが、いつも過ごしている街路や街中をゆっくり走れば、小さな自然や街の新しい発見をすることが出来ます。
あるいは、郊外に電車やバスで出かけ、帰りはマラニックというのもいい方法です。
心地よい季節がスタミナをつけ、長く走る楽しさを教えてくれます。
4.冬のマラニック
暖かい所では、冬の陽射しを浴びながら静かな風景の中を、走ることと歩くことの繰り返しを楽しむことができます。
・交流マラニック
ランニングは本来、一人で楽しむスポーツです。しかし、自然や風景と対話する、そして、仲間や行く先の人々と触れ合えば、さらにその魅力は増していきます。
1.クラブ・マラニック
2.街・村触れあいマラニック
各地で行われるマラソン大会は記録や順位を目指しているだけに、コース沿いの人たちとゆっくり語り名所などを眺めている余裕はないでしょう。
マラニックにはその余裕があり、寂しくなった地方でもきっと賑やかになってきます。
3.カルチャーマラニック
マラニックは時間がゆったりと流れ、風景もゆっくり変わってくるだけに、他の文化的な活動と結びついていきます。
最後に進め方についてアドバイスをします。
マラニック完走のためには、走るスピード、歩きの入れかた、休憩や給水・給食のタイミングが課題になってきます。
・スピードは、走力、実施時間や距離によって異なりますが、1kmあたり5~8分くらいがベストです。
・歩きは、起伏や走力によっても異なりますが、15~20分走→5分歩、上りは歩、平地と下りは走に変えます。
・休憩・給水・給食は1時間に5~10分くらい。数時間に及ぶなら、中間で軽食を入れます。
・ペースは、平均したスピードで、途中頑張り過ぎず、常に余裕があることです。
・回復法として休憩の時はストレッチ、川や池や海に足を入れてアイシングがお勧めです。温泉があれば「足湯」に入るのもいいでしょう。
今回は、マラニックの魅力についてまとめました。
普段走らない方でも、大会を選べばエイドに寄り道しながら楽しく完走できると思います。
スポーツの秋、食欲の秋、マラニックに参加してみてはいかがでしょうか?
また、大会だけではなく、マラニックのイベントも開催されています。
初心者向きや短い距離のイベントもあるので、ぜひ検索してみてください。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。