kimunori10’s diary

マラソン、スポーツ、トレーニングを中心とした雑記ブログ

約1年4か月振りにフルマラソンを走ってみて感じたこと

2020年のマラソン大会は、予定していたほとんどがコロナ禍の影響で中止になりました。
また、全国各地のマラソン大会が中止に追い込まれてしまい、日頃から走っている私にとっては大会すら開催されず、練習のみの期間が長かったため、モチベーションの維持にかなり困りました。そして、練習をなぜするのかすら見失いそうにもなりました。
 
しかし、私はその期間にモチベーションを下げないように1日1日、そして日々すべきことだけを考えて練習するようにしました。
この時期は、大会や記録会といった自分の実力を確かめる機会がなかったので、あまり全力で走るようなことすらありませんでした。しかし、記録会が再開される直前にスピードを上げて走ったところ怪我をしてしまいました。
 
原因はいろいろとあるのですが、そのうちの1つとしてランニングシューズをナイキ社製の練習用で、クッションがある「厚底」と俗に呼ばれているシューズを履いて練習をしたところ怪我をしてしまったのです
怪我をした箇所は、骨盤周りでお尻周辺なのですが、シューズを履き替えたことによる身体のバランスの乱れが影響したと後から思いました
 
それに、この時はまだ実感していなかったのですが、シューズの底が薄いのと、厚底シューズとでは走る際に使う筋肉が決定的に違うことを後になって思ったのです
それをこの間走ったフルマラソンで改めて身をもって知ることになりました。ですので、先日久しぶりに走ったフルマラソンと、その1週間前のクロカンでのハーフマラソンの感想についてもここでは書いていきたいと思います。
 
どちらの大会も私は、ナイキ社製の厚底シューズである、「ヴェイパーフライネクスト%」という名称のシューズを着用しました。
今現在発売されている「ズームXヴェイパーフライネクスト%」や「エアズームアルファフライネクスト%」よりも型としては古いです。
もうそろそろ買い替えようと思ってはいますが、何せ30,000円以上もするシューズです。一般の市民ランナーにとってはかなり高価な代物となります。
 
私が大会や試合の舞台で厚底シューズを履き始めたのはつい最近のこと、2020年の11月のロードレースです。
本来であれば、3月の東京マラソンでデビューするはずでしたが延期となってしまい、またコロナ禍で大会や記録会といったものが中止になった影響があり、ここまで遅くなってしまったのです。
 
東京マラソン前、2月に「ヴェイパーフライネクスト%」を購入したときは、あまりのかっこよさと厚底なのに意外と軽いことに驚きました。そして、軽く走っただけで推進力が今までのシューズと全然違うことに衝撃を受けました。だから、買ってよかった、早くこれを履いて試合や大会に出てみたいと思ったものです。
 
ちなみに、昨年の1月まで私がロードでの大会や練習で履いていたシューズは、アディダス社製の「アディゼロタクミセン」のシリーズを長年履いていました。
トラックレース以外の練習や大会でも、このシューズを履き続けていました。このシューズは底が薄く、軽量なのですがソールが硬めで、ほどよいクッション性があり安定性が備わっていて、なによりシューズの摩耗や破損の心配があまりない点が、経済的にも私にとってはかなり助かりました
こちらのシリーズのシューズを楽天市場ヤフーショッピングアマゾンのネット通販で良く購入していたものです。
それから徐々に、マラソン界のニューウエーブと呼ばれるような上記のシューズが2年くらい前から世にも出回り始めたのです。
 
私もそうでしたが、おそらくランナーの皆さんが当初は、厚底シューズに対して懐疑的な見方をしていたのではないでしょうか?
しかし、次第にそのシューズを履いたランナーが次々と自己ベストを更新したり、いい記録を出したりしていくうちに、このシューズを履いたら自分も良い結果が残せるのでは?と思い始めたことでしょう。口コミやマスコミでの報道、そしてニュースやメディアでも広く取り上げられたこともあり、瞬く間に浸透していったのです
 
私が厚底シューズが広まっていっても、アディダスのマラソンシューズを履いていた理由としては、まず第一に「価格が安かったこと」が挙げられます。それに、先程も言ったような利点があったからです。しかしそうは言っても、少なからず欠点はありました。
それは、足の裏にマメが出来やすいこと、そして脚に残る疲労感です
マメに関しては、シューズのサイズの選択ミスが挙げられます。脚に合うサイズよりも大きめのサイズを選択していたためシューズの中で足が動き、よく足裏にマメができていました。
脚に残る疲労感についてですが、これに気づいたのは、私が厚底を着用するようになってからです。それまでは、その箇所に疲労感や疲れがくるものだと思っていました。
 
その時に履いていたシューズで特に疲労感が残っていた箇所は、「ふくらはぎ(腓腹筋」や「前側の太腿、要するに大腿四頭筋」でした。それ以外にももちろん筋肉は使うのですが、その辺りの箇所に集中していました。
そのため、その部分のケアはもちろんのこと、その辺りの筋肉の強化を徹底していかなればいけません。これに関しては、ランナーとして長年活動していたこともあり、負担がそこに集中していました。
 
これは、見方を変えると、それ以外の箇所の筋力や柔軟性とのアンバランスにもつながっていくのです。骨盤周りや体幹部分、ハムストリングス、殿筋群ももちろん使うのですが、あまり私の場合は使えておらず、先程のような特定の部分を使ってでしか走れていませんでした。
もちろん、全身の筋肉を上手に利用するフォームや走り方に変えて、インナーマッスルとアウターマッスルを使い分けていければ、より効率よく走ることができるので、推進力が上がり、より速く走れるようになっていきます
いくら体幹レーニングやインナーマッスルのトレーニングを徹底して行ったところで、ランニングの際にその辺りが効率よくきちんと使えていなければ意味をなさないことになってしまうのです
 
厚底シューズは確かに、スピード感が増して、推進力を得られやすく、快適に走れるため、記録が向上しやすい側面があります
しかし、そればかりに頼ってはいけないことも実はあるのです。厚底シューズももちろん、身体全体の筋肉を使って走るのですが、薄底シューズとは使う筋肉が異なるのです
どこの筋肉を使うのかというと、「ハムストリングス周辺(大腿二頭筋や半腱様筋、半膜様筋等)」や「お尻回り周辺(大臀筋等)」をメインに使います。「前側の太腿」も多少使うのですが、長い距離を走ったあとの疲労感が残ったのは断然に「ハムストリングス周辺」でした。
もちろん、大腿四頭筋周りも疲労感はありましたが、比率で表すと「ハムストリングス9、大腿四頭筋」くらいの感覚です
そして、ふくらはぎに張った感じが残らなかったのは人生で初めてくらいの感覚でした
 
今回は、2週続けて大会に出ています。最初は、クロスカントリーでのハーフマラソンです。1周2km弱のコースを9周くらい走りました。
スタートゴール地点のトラック以外は、芝生が路面でした。それに加えて、当日の天候はあいにくの雨でした。グランドコンディションとしては最悪の状態で、水溜まりがあり地面が泥だらけになっている箇所がいくつもありました。
もちろんそういった所を走ったことはあるのですが、厚底シューズでそこを走るのが初めてなので、どんな感じなのか不安ではありました。
路面が滑りやすいため、特に下り坂でのランニングに関しては慎重になりました。何度も転びそうになりましたし、転んでいたランナーも実際にいました。
 
厚底シューズには、裏面にグリップと呼ばれるような突起物がなく、平らなため滑りやすいのです。特に下り坂のときにツルっ、キュっという音がしていました。
それでも下り坂に関しては、勝手に前に進んでいく感じがして走りやすかったです。もともと私は下り坂が好きなこともあり快調に走れました。
しかし、上り坂に関してはあまり推進力が得られず、前に進んでいかなかったです。要するに、上に弾んでしまい、前への推進力が得にくい感じがするのです。これに関しては、私は上り坂の走りが苦手なせいもあり、上手く走れていなかったのもあります。
上り坂で集団から離れていき、下り坂で集団に追い付いていく、というようなレース内容を展開していました。
 
おそらく路面状況や芝生の上とかは関係なく、天候が良かろうが悪かろうが似たようなレース内容だったと思っています。
ハーフマラソンという距離の関係もあり、脚の筋肉痛や張りに関しては気になるほどではありませんでした
どちらかというと、その次の週のフルマラソンに向けての刺激入れというつもりでこの時は挑んでいたので、痛みや張りが残らなかったこともあり、ほっとした気持ちの方が大きかったです。
ただ、今までフルマラソン前に向けての調整過程で失敗してきた経験があるので、練習量やペースは落として挑むことにしました。
 
シューズの話に戻すと、練習では厚底の練習用シューズと、薄底の練習用シューズを使い分けて履いています。これは、先程も話しましたが、シューズによって脚を使う筋肉や疲労感、また細かく言えばランニングフォームが変わってくるためです。アップダウンを走るときの接地の仕方、感覚や、ジョギングのスピード感覚、ピッチの度合い、スピードの乗り方さえ違うと思います。ということは、すごく細かい部分でフォームと使う筋肉が変わるのだと思います。
大会と大会の間の疲労抜きのジョギングの時は、ペースを上げないことはもちろん、フォームの細かい所やどこに疲労があり、どこの部分の走りが崩れていてうまく使えていないのかを、いつもよりも重点的に確認し、身体と対話をしています
 
 

 
今回は正直に言うと、しっくりこない日が多く、やはり疲労が溜まっているのだと思いながら練習をしていました。
本来であれば、もう少し疲労を取るために練習量を少なくしても良かったのかもしれません。しかし、つなぎの1週間を練習しつつ、身体の状態とどう向き合うのか、ケアをとにかく徹底して普段よりも休養と栄養を日々しっかり取るという点を重視することにしたのです。
前々日、前日に関しては、疲労感が残っていて、練習するかしないかを悩むまで葛藤しました。結局は練習しましたが、予定よりも早く切り上げています。
 
そのおかげでフルマラソンの時には、さほど疲れや脚の違和感に関しては残っておらず、体調もまずまずの状態になりました。
フルマラソンのスタート時間が朝の7時で、私の自宅を出発するのが夜中の2時過ぎでした。もちろん、このような経験は初めてだったので不安しかありませんでしたが、失敗してもいい、とにかく経験を積むことを重視する、というように気持ちを切り替えて数週間前から過ごしていました
 
このフルマラソンでも私は先週の大会と同じように、厚底シューズで走りました。ちなみに、スタート地点にいた私の周りのランナーはほとんど厚底シューズを履いていました。
冒頭にも言いましたが、ロードレースのシリアスランナーにとって厚底シューズは主流なのです
 
様々なメーカーがこぞって新商品を発売するようになり、以前と比べても色とりどりのシューズを見て取れるようになりました。
出始めのときは、テレビ画面の選手のシューズが全員ピンク色という少し異様な感じを受けました。私は、ナイキ社製の厚底シューズ以外を履いたことがないのですが、他社製のシューズも履いてみたいです。ただ、やはり金額が高価なのがネックで、そこまで手が回らないです。
 
私が今回走った会場は、サーキット場でフルマラソンの距離を周回するコースで行われました。
1周5km満たない距離を周回します。そして、サーキット場は山の奥地にあり、周りは自然豊かなのですが、アップダウンが激しく高低差も結構ありました。
当日は天気は良かったのですが、風が強く、アップダウンのコースと重なりタフなレースとなりました。詳細は割愛しますが、厚底シューズを履いて初めてのフルマラソンは、自分の想定より少し上のタイムや感覚で走れました。
具体的にどの辺りが想定よりも上なのかというと、終盤の疲れた時にシューズの推進力を得られることにあると思います。それこそ脚が勝手に前に進んでいくような感覚です。
後半のきつい場面では、下り坂は余計な力を使わずに進み、上り坂はとにかく腕振りを大きく、ピッチを上げて、身体全体をとにかく前に進ませるように走るということを意識していました。
もちろん、下り坂もきついのですが、あたかも脚が勝手に何も力を使わずに転がり落ちていくかのような感覚でした。
 
アップダウンのあるコースで厚底シューズを履く分に関しても、この2大会を通して全然問題ないことが分かりました。
ただ、自分の弱点がこの大会を通して出たとも思っています。それは、「ハムストリングスの筋力の弱さ」です。筋肉の柔軟性は普通くらいなのですが、重点的にそこを鍛えていなかったので、筋肉痛が2、3日残りました
それに加えて痛みに左右差があったのです。ということは、筋力がアンバランスな状態だったということでもあります。
もちろん、ふくらはぎや大腿四頭筋にも張りはあったのですが、そこまでではありませんでした。
 
今回の2大会のマラソンでは、アップダウンの激しいコースを周回するという今までに経験のない大会でした。しかも、それを2週続けて行いました。
厚底シューズを履いて初めてのフルマラソンということだけでなく、久しぶりに身体を酷使したと思うような連戦レースになりました。
 
ただ、今はこの経験をして良かったと素直に思えます。なぜかというと、上記に述べたことを中心に、様々なことを経験できたからです。それを下記にまとめてみました。
1.雨天時の滑りやすい路面での大会ではグリップ力のあるシューズの方が走りやすい
2.厚底シューズは下り坂では推進力を得られ走りやすいが、上り坂では推進力が上方向に逃げ前への推進力が得にくい
3.厚底シューズを今後履くときに強化しておきたい筋肉や部位は、ハムストリングスや殿筋群のような身体の裏側を重点的に鍛えておくといい
4.いつも厚底シューズを履いて練習すると、同じような部位の筋肉を使い動き方をするので、底が薄いシューズやクッション性のあるシューズも上手に取り入れるといい
5.厚底シューズを履く場合でもできれば様々なメーカーのシューズを試し履きをしたほうが自分にしっくりくるアイテムが見つかる
 
昨年11月に出場した20kmのロードレースは、河川敷で終始アップダウンのないコースでした。その時に記録を見て思ったことは、1分近くは想像よりも速いなという印象でした
昨年厚底シューズが規制される前にトラックレースに出て、どれくらいのタイムが出せていたのか気にはなりますが、今マラソン界、長距離のトラック界では続々と日本記録が誕生しています。ロードだけでなく、シューズの規制がされたトラックの世界でも記録が出ているということは、自分もいいタイムで走れるのではないかと思わずにはいられません。
もちろん、それにはしっかりとした練習や筋力強化をしなければいけません。ただ、厚底シューズがもたらした波というのは、一市民ランナーの世界にも及んでいると、今更ながら実感している最中です
 
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。