kimunori10’s diary

マラソン、スポーツ、トレーニングを中心とした雑記ブログ

シンスプリントという怪我について

ランナーに多いふくらはぎの怪我の名称を「シンスプリント」といいます。
 
難しくいうと、「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」といいます。
他にも、「過労性脛部痛、脛骨内側症候群」と呼ばれることがあります。
 
ヒラメ筋を主として後脛骨筋、長趾屈筋の付着部が、脛骨の表面を覆う骨膜を牽引して微細損傷(骨膜炎)をきたし、下腿内側の痛みを発生させるものと考えられています。すねの内側の違和感や痛みがあります。
 
どうしてこの怪我が起きるのかというと、硬い路面でのランニングや、過度の跳躍動作により誘発されるからです。
また、ダッシュや急ブレーキなどの繰り返す負担により起こることもあります
 
このようなダメージや炎症は、最初のうちは休んでいると治る程度のものです。しかし、繰り返し発症することにより、完治する間もなく、次の新たな損傷が生じ慢性化します。
 
シンスプリントのリスク因子としては、
・臀部や大腿部の筋力低下、柔軟性の低下
・不適切な身体の使い方
・体脂肪・BMI(肥満度指数)の上昇
・過度の運動量・運動時間(長時間)運動内容・日数またはフォームの変更
・硬い路面(特にアスファルト
・薄く硬いシューズの着用(踵の摩耗)
・下肢の形態異常(O脚、回内足、扁平足など)
・下腿三頭筋(ふくらはぎ)の柔軟性低下
・股・膝・足関節の柔軟性低下
・足関節可動制限
などが発生の誘因となります。
 
そして、上記に当てはまる項目が多いほど、起こりやすいといわれています。
また、急激に練習量を増やすことが、よく起きる原因でもあります。
 
どんな人がよく発症するのかというと、ランナーの発生頻度が高く、その20~50%に発生するといわれます。
 
私は、中学・高校の学生時代の陸上部のときは、よくこの怪我に悩まされていました。
当時は、走ってはこの怪我が起こり、治療院に行き、治ったと思ったら、また再発する、この繰り返しでした。
 
ですから、炎症が起きている部位の周辺を揉んだり、触ったり、押したりするだけで、電気が走るような痛みに襲われていた記憶があります。また、見た目でもふくらはぎの下部が腫れているのがわかりました。
 
当時は、どうして起きているのかをあまり深く考えないまま練習をしていました。その症状を軽視していた部分がありました。
また、激しい練習をしなければ耐えられるような状態のため、常に痛みがありながらも、練習をずるずるとしていた記憶もあります。
 
部活動ができないほど症状が悪くなり、日常生活にも支障が出てきたら、練習を中断して治療院に行く、という悪循環に陥っていました。
 
そして、怪我が起きている「原因の追究」が根本的に足りていませんでした。
治療も人任せで、自分でどうして起きたのかを解決しようとしていませんでした。
 
怪我が発生して走れなくて辛いのに、怪我が起きている根本的な原因を追究しようとしない限り、いくら練習ができていても、記録の向上や目標の大会で、いい成績など得られるはずがありません。
 
治すためには、運動量の調整など考えられる上記に示した原因を制限します
 
急性期は、局所の安静(ランニングの休止)、アイシング(アイスマッサージやアイスバス等)、消炎鎮痛剤を用います。
形態補正には、足底板(銭湯にある傾斜のついた板)を用います。
痛みの強い急性期は、ランニングの休止を徹底します。
 
そして、局所の安静時期からでも、下肢の荷重運動を避けます。
それから推奨する運動としては、水泳、エアロバイク(踵でペダルを踏むように)
安静時には、股関節・足関節・アキレス腱を中心とした下肢のストレッチングを行います。
自発痛や歩行時痛が消失したら、足趾でのタオルギャザー、足関節の軽いチューブトレーニンを行います。
明らかな圧痛(押すと感じる痛み。自発痛ではない)が消失したらウォーキングから始めます。
次に、両脚踏み切りジャンプで痛みが出なければ、軽いランニングを再開します(硬い路面を避ける)
 
ただし、練習量を急激に増やすと、再び痛みが出やすいです。
 
シンスプリントの発生頻度が高い場合には、練習日誌に
痛みの強さ(数値で表す等具体的なほどよい)や練習場所(床や地面の硬さ)、練習時間、練習強度(数値化してもよい)を事細かく書き記すとよいでしょう。
それが、後々怪我を再発させないことにつながるからです。
 
そして、先生に報告することはもちろん、部活動以外にも治療の最大限の努力はしなければなりません。決して受け身の姿勢ではいけない、ということです。
 
可能であれば運動量のさじ加減をしますが、現実的には下記の予防策などが考えられます。
・下腿の前面と後面の筋肉群の静的ストレッチ、またマッサージやアイシングなどのアフターケア
・フォームや姿勢の矯正、衝撃吸収ができるシューズの選択
・インソール(中敷き)を調整するパッドなどを使ってのアラインメントの修正
 
 

 
オーバーユースが起因となっていることが多いです。
 
オーバーユースとは、金属疲労と同じメカニズムで、同じ部位に繰り返して同じようなストレスがかかっているので下記のような対策をしましょう。
・運動量の調整、休養
・運動をしている環境(路面など)をやわらかい場所に移す
 
もし上記よりも痛みの程度が強かった場合、治療が必要となります。
まず、設備の整った医療機関を受診します。
消炎鎮痛剤(内服・外用)が処方され、交代浴、超音波治療などを受けることがあります。  
そして、部活動や運動前後ではストレッチを行います。また、必要に応じてテーピングなどを適用します。しっかりと内側(骨)まで温まるようなウォーミングアップをしてください。下腿の血流量をアップすることが重要です。
そして、テーピングですが、脛骨内縁部や関連している筋肉の走行に沿って、キネシオやチタンのテープを当ててみましょう。
 
基本的には自分自身で、入浴後や就寝前にもう一度ストレッチングをしたり、足の裏や下腿部の疲労を翌日に残さないように、セルフマッサージなどを行うようにしたりするなど、治癒が促進されるといわれています。
 
ただ、触れないほど痛いときには、やはり安静とアイシングが基本です
それでも適切な治療をしているにもかかわらず、痛みが引かないときには、シンスプリントではなく、疲労骨折になっている可能性が高いです。
 
専門の医療機関で、レントゲン検査やMRIの検査をしたほうがいいでしょう。
そして、適切な処置をしないと、痛みが長引く可能性があります。
 
ただ、なぜこの部位に症状が出るのでしょうか。
 
疲労骨折の場合は、脛の下1/3がやや曲がっていることと、ストレスのかかり方が原因になっているのでわかりやすいです。
 
しかし、シンスプリントの場合は、ストレスのかかり方にアラインメント(特に過回内)、アーチの状態、筋疲労の程度等が複雑に絡みあっているようです。
具体的には、骨格(姿勢)や筋肉の状態など、その人の内的要因と、接地(着地)の角度、フォーム、シューズや床(グラウンド)などの外的要因など、確認する項目は広範囲に及びます
 
 
予防策や対応策で述べましたが、シンスプリントになったあとの有効な筋トレがあります。また、症状の防止策としてももちろん有効です。
すねの筋肉へのストレスを軽減するために、足の衝撃吸収にかかわる筋肉の強化が有効です。
ここでは2つ紹介します。
・1つめは、足の指を伸ばす筋肉のトレーニンです。
つま先を浮かせたまま踵で歩きます。
そうすると、すねの骨の周りにすじが浮き出てきます。
その状態を維持したまま行うようにしましょう。
この時にできるだけ足音をたてないように、気を付けて行うことでより効果的となります。
 
・2つめは、足の親指を開く筋肉のトレーニンです。
できれば、裸足の状態の方が指がしっかり開くので、その状態で行うようにしましょう。
立位か座位で、足の人差し指から小指までを浮かせた状態で、親指だけ床につけます。
このトレーニングは、外反母趾の予防にも効果的な運動です。
女性で、先の細いヒールをよく履く方にも有効なのでおすすめです。
また、部活動であれば、友達同士で、裸足になり足の指じゃんけんをして、ゲーム性をもたせてもいいでしょう。
 
レーニング以外にも普段履く靴から修正する方法もあります。
インソール(中敷き)を調整するパッドなどを使ってのアラインメントの修正
もし扁平足で足裏の踵側に痛みが出る場合、踵の内側(母趾側)を高くして踵が内側へ倒れないようにしたり、土踏まず(内側縦アーチ)を高くしたりするようなインソールを使用すると、足底腱膜へのストレスを緩和するのに有効です。
ただし、インソールは症状が改善したあとの再発予防(フォームの修正など)には有効ですが、
インソールだけで完治させることは難しい場合が多いです。
また、テーピングで圧迫することで、痛めている部分にかかるストレスを軽減する方法があります。ただ、自己流で行うことや見よう見まねで行うことは避けましょう。必ず、先生や専門医、治療院の先生にテーピングの仕方やインソールの相談をしましょう。
 
痛みの部位の骨膜が引っ張られるストレスを軽減するために、ふくらはぎの筋肉をストレッチして柔軟性を保つことが大切です
 
ここでは有効なストレッチを1つ紹介します。
立位で前後に脚を開き(痛みのある脚は後ろ側)、後ろ脚の踵は床につけたままにします。
つま先を内側に向けて、前側の脚に体重を乗せていきます。
すると、後ろ側のふくらはぎの一部の筋肉が伸びて、張りを感じると思います。
伸ばす際は、ゆっくりとじっくり伸ばすようにしてください。
この状態で15~20秒程伸ばします。
このようにすることで、ヒラメ筋や後脛骨筋などの筋肉を、ストレッチにより柔軟にすることができます
 
しかし、ストレッチにより痛みが出るようでしたら、そのストレッチは中止が望ましいです。
このストレッチは、運動前後に行いたいのですが、特に運動後には必ず行うようにしましょう
 
ストレッチは再発予防には有効ですが、ストレッチだけで痛みが治まるわけではありません。このことを頭に入れておいてください。
 
様々なことを書きましたが、いかがでしたか?
シンスプリントは炎症なので、最初のうちは無理ができてしまいます。
しかし、無理をしすぎると、炎症が治まるのに時間を要します。
 
ですので、違和感を感じたら早めに上記の対処を行い、ケアを徹底しましょう。
そして、無理は禁物です。まずは、じっくり治しましょう。
 
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。