お尻はみんなの目に入るから軽視してはいけない
お尻にある筋肉で、表面にある大きな筋肉を大臀筋といいます。
前回のブログで書いた「ハムストリングス」と機能は似ていて、股関節の伸展(脚を後ろに伸ばす動き)で働きます。(プラス股関節の外旋の機能もあります)
日常生活でなくてはならない大切な働きをする筋肉です。特に、大股で歩くときや走るときに有効に働きます。
スポーツ選手は、この筋肉を効果的に利用して、下半身のパワーを最大限に発揮します。ですので、ほとんどの選手の大臀筋は引き締まっていて、無駄な脂肪がほとんどありません。スポーツにもよりますが、大きく発達している状態や小ぶりな場合もあります。
ただ、一般人で大臀筋を鍛えていない人は、大きく発達し、脂肪がたくさんついている状態です。そのため、特に女性はお尻を気にしている方が多いと思います。
なぜそうなってしまうのかというと、お尻の筋肉を上手に使っていないからです。
大股で歩く、または階段を1段ずつ上り下りするのではなく、1、2段飛ばして行えば大臀筋が働いていきます。もしくは、大股で走ってもいいです。
しかし、日常生活や仕事で自家用車や公共交通機関を移動手段で主に使い、デスクワークでの仕事が中心になれば、大臀筋を中心とした股関節周りの筋肉や関節は使わない方がほとんどだと思います。
おそらく皆さんも、大股で歩いたり走ったりして、大臀筋周りを使い、基礎代謝を上げて、消費カロリーを上げて運動すれば、下半身周りをすっきりさせるということは、ご存知の方もいると思います。
しかし、いきなりそれを実行しようと思っても、なかなかできないものです。
なぜかというと、股関節周りの関節が凝り固まってしまっているからです。そして、大股で歩くことはそんなに長時間できるものではありません。また、ただ走るのではなく股関節周りを使うには、スピードを上げて短距離走者みたいにストライドを広げないといけません。おそらく、いきなりそんなことをしたら怪我をするでしょう。怪我をしなくてもいきなり行うと関節周りに筋肉痛を起こし、1日でドロップアウトするでしょう。
もちろん、ストレッチや準備運動等、何もしていない状態で走ってしまったら、怪我をする確率が高まります。
歩いてもいいのですが、歩幅が広がりにくく、長時間歩けないため、有酸素運動の観点から言うと効率がいいとはいえません。
まずは、前段階として、自宅や室内で股関節周りを大きく、かつ丁寧に動かす「動的ストレッチ」をすることをおすすめします。
座りながらでも、寝っ転がっても、畳1畳分くらいのスペースがあれば、十分にいい運動になります。
特に、運動経験があまりない方や高齢者にはおすすめします。
また、冬場で関節周りが固まりやすい時期に、室内や温かい場所でウォーミングアップとして取り入れれば、かなり効率よく本練習に入れるでしょう。
股関節の機能は、「屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋」というように、各方向に幅広い範囲に動かすことが出来ます。
ただ、先ほども述べましたが、股関節を普段あまり使わない人が多いため、関節周りが凝り固まってしまい、可動域が狭まり、様々な場面で支障が生じてきます。
例えば、小さな段差でつまずく、転倒する、階段の上り下りがスムーズにできない等です。この中で主に大殿筋が働くときというのは、「階段を下りるとき」くらいなのです。ただ、軽視してはいけない存在です。
大臀筋は、大きな筋肉なのですが、目で見ることができない場所に存在します。また、触ることがあまりない部位でもあります。この部分はキーポイントであると思います。
やはり、自分の目では見えないけど、人の目にはよく見える場所に位置しているからです。
もちろん、背中もありますが、その次、いや女性は1番気にしている人が多いかもしれません。
もし可能であれば、大股で歩いたり、走ったり、階段の上り下りをしたりするときに誰もいないところで、自分のお尻を両手で触りながら、それらの動作を行ってみてください。それか、その場で立って、片方の膝を伸ばしたまま、踵で真後ろに何か物を蹴るような動作をしてみてください。
いくら脂肪で覆われていても、大臀筋が働いているのが感触としてつかめると思います。
大臀筋のトレーニングは数多くあり、私もいろいろとしています。また、トレーナー時代にも、様々なトレーニングをお客様、特に女性に教えてきました。
実は、細かく言えば、ただ単に「お尻」を鍛えれば、お尻が理想の形に変わり、シャープになるのかと言われたらそうでもないのです。股関節周りが大事になってくるのですが、そうなると話が長くなるのでここでは割愛します。
鍛え方や方法によっては、何十通り、いやそれ以上のバリエーションがあります。
そして、人の骨格によってトレーニングメニューや内容は変えないといけません。それだけ、神経を使う部位でもあり繊細な所なのです。
そのため、大臀筋のトレーニングは、「飽きがこず、楽しく、継続しやすい、バリエーション豊富な」メニューが各個人に組めるでしょう。
例えば、トレーニングの姿勢によってメニューや内容、方法を変えることもできます。それに、片方のみ、両方同時にできたり、人によって負荷の上げ下げを変えることも可能なのです。
トレーニングでいえば、うつ伏せに寝ます。片方の脚を真上にゆっくり上げます。そして、空いている手で上げた方のお尻を触り、硬くなるのが確認できるはずです。
いちいちうつ伏せに寝なくてもできます。壁に向かって立ちます。両手で壁に手を当てて、身体を支えます。片方の脚をゆっくりと真後ろに上げていきます。お尻が固くなったところまで上げて、そこからゆっくりと下していくだけです。
前回のハムストリングスで紹介したトレーニングである、仰向けに寝て膝を立てて、お尻をゆっくりと上げていく方法もあります。
ほとんどの方は、初めて大臀筋のトレーニングをするでしょうから、寝る前に簡単に、すぐに、効果的に行えるような方法から始めるといいと思います。
雑誌で紹介されている方法でもいいので、自分なりにいろいろと試してみてください。その中から、1番自分にしっくりきて、継続出来る方法がいいと思います。
私は、日頃から自分のお尻や後ろ姿を見る、自分のお尻を触る、寝る前に少し動かす、余裕があったらストレッチをしていく、のうち1日どれか1つをする、また意識するように心がけています。
いきなり一度に、一変にやり過ぎると、パンクして続きません。
少しずつ、ちょっとずつ行えば変わっていきます。気がついたら、普段履くパンツ類がすっきり履けているかもしれません。同僚や職場の人、お友達からやせたね、と言われるかもしれません。
「1日1膳」「できるときにコツコツと」行うと、数か月後から少しずつ変わっていくでしょう。
素敵な身体を目指して、カッコ良い引き締まった下半身の土台と見た目を手に入れましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。